増田望三郎@安曇野地球宿です。
こんにちわ。


梅雨の合間に広がる晴れ間は暑く、安曇野は初夏に向かっています。
ジャガイモに始まり、夏野菜、稲、エゴマ、大豆など、用意していた苗や種は
全て畑や田んぼに植え終えて、これから収穫まで管理作業が続きます。
メインは草取り。太陽、雨、土の3拍子が揃い、作物も生長、雑草も生長です。
2つの田んぼと4つの畑をこまめに回りながら、作業の適期を逃さないように
全体を見ながら畑を運営しています。

今年の田んぼは試験的にアイガモ農法をやめてみました。
すると昨年までは少なかったコナギが生えたり、稲ゾウムシの食害があり、
去年まではアイガモさんがしっかり働いてくれていたことが分かりました。
もうじき収穫の小麦ですが、今年は麦踏みを2回したせいか倒伏していません。
田んぼも畑もあれこれ試してみるとそれなりに違った結果が出てきますね。

地球宿を始めた時に植えたブルーベリーも実をつけています。
昨年までは根を張ることに力を使わせるために花芽を摘んでいましたが、
今年は少しだけ花芽を残しました。4年目で初めて実をつけたブルーベリー、
今日初物を食べました。仲間たちと植え付け、草刈に水遣りに地道な作業
をやってきたせいもあって、ようやくここまで来たか、と感無量です。
今年はまだ実が少ないので、みなさんに楽しんでもらうのは来年になります。


さて宿の方。今地球宿は3人のゲストが2ヶ月間のロングステイ中です。
1人は近くの病院で看護実習をやっているあゆみちゃん。
勤めていた仕事を辞めて自分の道を切り替えた女性です。
名古屋の専門学校の生徒さんがこの病院で毎年実習しているとのこと。
来年以降もこの実習ステイの受入れが続きそうです。

もう2人は小笠原諸島からやってきた妊婦の亜衣ちゃんと2歳のなっちゃん。
小笠原は産婦人科が無く、島の方は赤ちゃんを産むために、内地(本州)に
行かなければならないとのこと。亜衣ちゃんは同じ島を離れるなら、
都会の東京ではなく、自然豊かなところで産みたい、と光を産んだ
ウテキアニ助産院でのお産を選び、安曇野と地球宿にやってきました。

2歳の娘さん、なっちゃんのことを少し。
最初なっちゃんは、お母さんにべったりの子でした。でも出産後のことを
考えると、いつもべったりではお母さんもゆっくり養生できません。
お母さんがいなくても楽しく過ごせるようにと思って、
僕らもあれこれ働きかけていました。

1ヶ月共に暮らしていく中で、なっちゃんは風や光たちと仲良く遊び、
実習ステイしているあゆみちゃんのことが大好きになり、
悦子お母さんや望さんにも抱っこされるようになりました。
この前はお母さんは留守番で、なっちゃんだけ僕らと出かけたりもしました。
「なっちゃん、おねえさんになるから。」とその気になっています。

地球宿に泊まるゲストや地元の人たちなど、とにかくいろんな人たちが
入れ替わり立ち代わりやってくるこの家で、なっちゃんの心のボーダーレス化が
進んでいるようです。出産ステイは一つ屋根の下で家族として暮らすのが
醍醐味なのですが、なっちゃんもこの環境で成長しているようです。
そしてもうすぐ赤ちゃんも誕生です。


宿でゲストを受け入れていて、いろんな人が来てくれていますが、なかでも

『地方に移り住んで、農的な暮らしを送りたい。』
『その移住先として、安曇野を希望する。』

という人が近頃本当に多いです。6月だけでも6組の方がそうでした。
年輩の方が第2の人生を悠々自適に田舎暮らしをする、というのではなく、
みんな20代後半から30代前半の方たち。
家族を作り、生計を立て、人生これから・・・の人たちが、その舞台として
地方に移り住み、農的な暮らしを送りたいと願っているのです。

そんな彼らにとって増田家は「先駆者」になるわけで、ぜひ話を聞きたい、
自分たちの相談に乗って欲しい、とやってきてくれます。
自分も通ってきた道ですから、その人たちの心配や不安などもよく分かります。
僕らも誠心誠意を込めて、その人たちに向き合います。
移住先が決まっている人には、その地域に住む友人を紹介したりしています。

『半農半Xという生き方』(出版ソニーマガジンズ)という本があります。
京都府綾部市に住む塩見直紀さんが提唱した考え方で、暮らしのベースとして
半自給的な農業を行い、その一方で自分にとっての天職Xを見出し、
やりたい仕事と両立させて、お金や時間に追われない、人間らしさを回復する
ライフスタイルを求めていく生き方です。

東京時代にこの本を読んだ時に、これだっ!と思いました。
特段農業に対して深い思い入れがあるわけでもない僕が、田舎で農業をやって
生計を立てている姿は、どうしてもイメージできませんでした。
しかし農を生計を立てる「業」ではなく、暮らしの一部として位置づけ、
農的生活を送ることは僕にもできそう、そしてやってみたいと思いました。
農的生活をベースにして、僕にとってのX=地球宿をやってみようと。

「半農半X」という考え方は、多くの人たちに影響を与え、
今や英語、中国語にも翻訳され、海外にもその考え方が展がっています。
こうやって、都会の暮らしを離れ、地方へ移り住み農へと回帰する動き、
それも若い世代の暮らし方シフトはこれからもっと顕著になっていくのでしょうか。


もう一つはその移住先として「安曇野」を選ぶ人が多いということです。
これは、なぜ???何かが引き寄せているのでしょうか???
これについてはよく分かりません。

ただ、土(元々の地)の人も、たどり着いた風の人も、安曇野という地域を
ふるさととして愛し、自分たちの暮らしやそこに住む仲間たちを愛している。
「この地で暮らせてよかったなぁ・・・。」
そんな思いの相乗積が何か高いエネルギーを生み出し、
訪れる人たちに伝わっているのかもしれません。

農家、大工、建具屋、お蕎麦屋、観光案内、イラストレーター、宿、琵琶灸師、
野外保育、野外遊び、介護師、ミュージシャン、クラフト作家、アーティスト、
助産師、ヨーガ、カフェ、ストーブ屋、林業家、不動産屋、医者、
家庭菜園アドバイザー、地域づくりの仕掛け人、etc・・・。

仲間たちは仕事も多彩、個性も多彩です。
それぞれ自立し、お互いの息遣いを感じ合いながら、やれることを応援協力
し合い、悦びや嬉しさを分かち合い、困難なことはサポートする。
そんな人の繋がりとコミュニティーマインド(=共に生きていこう)が
育ちつつあるのかと。安曇野には幸せの風が吹いている。

まあでも字面で書きすぎてもよくありませんんね。
今日も一日、淡々と生きていきましょう。
午後からは雨が上がるので畑に行きます。




長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
読んでの感想やご意見・アドバイスをいただければと思います。
メール boetu@d6.dion.ne.jp