炭師 原伸介さんと講演の後に



「あのワークキャンプがはじまりだった。」

後になってきっとそう思える、そんな地球宿の原点がつくれた
今回のワークキャンプだった。
 
大きく2つ。 

1つはたくさんの地元の仲間が、このワークキャンプに気持ちを寄せてくれたということ。
安曇野に移り住んでからの2年5ヶ月の間に出会った人たち。
そしてこのワークキャンプをやることで新しい出会いを頂いた人たち。
たくさんの人たちに応援協力してもらって、ワークキャンプがつくられていった。

開催数日前から、方々より野菜が届き始め、我が家の玄関がいっぱいになった。
おばあちゃんや友人ファミリーの奥さん特製の漬物も届けられた。
食事づくりは悦子と紀ちゃん、そしてそのサポートを関さんがやってくれた。
インターンシップの受入れをお願いした9人の地元の友人たちが、
若者たちをしっかりと迎え入れてくれた。
インターンシップの受入を今回は見送った友人も、夜の交流会に感想を聞きに
集まってきてくれた。地元農家の畑や森で若者たちを受け入れてもらった。

安曇野・松本在住の夢追い人たちが多数登場し、
自分の夢や思いを若者たちに語ってくれた。
誰かが自分の思いを語るその度に、それが僕たちの中に染み入り、
このワークキャンプに純度の高いエナジーが足しこまれていくようだった。

スゴイ!

僕の住んでいる地域はこんなにも夢のある人たちがいるんだ。
夜の交流会の場に身を置きながら、そう思った。
地域とともに活気づく宿、地域に応援してもらえる宿、
そして宿からも地域に何かを贈れる宿、そんな宿の中身が見えた。


2つめは、ワークキャンプに参加した若者たちについて。

人生の方向や自分のやりたいことを見つける途上の20代という年代。
仕事、生き様、夢。自分のこれからを真剣に考えようとしている。

初めて顔を合わせる若者たちが集まり、農林業を通しての実感に、
みんなで風呂に入ったり、テーブルを囲んで一緒に飯を食ったりの共同生活。
たくさんの人に出会い刺激を受け、湧いてきた思いを自分の言葉で話してみる。
それはどれもリアルで瑞々しい。

具体的な道筋は、これからつけていかなければならないけど、
この3日間の中で感じたものは確かなもの。
場をつくり、手応えのあるものを用意すれば、
あとはその中で若者達自らが発酵していく。
投げ込んだ直球をそのまま受け止めてくれた、そんな若者たちだった。


僕が一番思える世代。それが20代。僕より10年若い連中。
次は恋人や結婚相手と訪れたり、子どもを連れてやってきたり。
あるいは僕の子どもが成長して青年となり、彼らを訪れることもあるだろう。
彼らの子どもたちが成長し青年になり、受け入れることもあるだろう。
そう、そのぐらいの長きに渡って、これからの人生、場所は違えど
共に歩いていけるのだ。そう思える仲間に出会えたことが嬉しい。

2つの大きな手応え。
地球宿の原点をつくれたこと、それが僕にとっては何よりも大きかった

         2006.8.26 安曇野地球宿プロジェクト 増田望三郎